Streamlit vs Gradio in 2025: AIアプリフレームワークとしての比較

AIアプリのフレームワークとしてのStreamlit / Gradio
StreamlitとGradioは、Python だけでインタラクティブな Web アプリを作れる体験の良さで人気のフレームワークです。
両者は「Python + 軽量コードで Web アプリ」という点で似ていますが、
- Streamlit = カスタマイズ性・複雑な UI/UX に強い
- Gradio = MLモデル公開・長期推論モデルの実行に強い
という違いがあります。
どちらもPython環境のセットアップとコーディングが必要ですが、もしそれを完全にスキップできるとしたら?その選択肢についても後ほど紹介します。
この記事ではAIアプリを構築、社内運用する上でのそれぞれの強みやユースケースの解説をします。
Streamlitのユースケース ― "見せ方" と "運用耐性" を同時に叶える
Streamlitは、インタラクティブなWebアプリが簡単に構築できる手軽さとそのカスタマイズ性に強みがあります。社内で運用する業務用アプリを構築する際にも運用の中で発生する要望に応えるための柔軟性を備えている点で実運用に非常に向いているフレームワークです。
UI のカスタマイズ性
st.line_chart , st.button など標準ウィジェットに加え、streamlit‑extras や st‑chat などコミュニティ製コンポーネントが豊富に用意されています。
さらにCSS やテーマ API でブランドカラーを反映することができるため、レイアウトも自由にカスタマイズが可能です。
import streamlit as st
# Create a button
if st.button('Click me'):
st.write('Button clicked!')
# Customize layout and theme using CSS
st.markdown(
"""
<style>
.stButton>button {
background-color: #4CAF50;
color: white;
}
</style>
""",
unsafe_allow_html=True
)データ+AI のハイブリッドアプリ
st.dataframe, st.altair_chart に Embedding や LLM 推論結果を重ね、「チャート付きチャットアプリ」 のような複合 UI も自然に実装することができます。Streamlitは、元々データサイエンティストがデータアプリを作るために構築をされているため、豊富な可視化ライブラリに対応しているためデータのプレゼンテーションを非常に得意としています。
更に、Chat アプリ向けストリーム更新 (st.chat_massage) のようにAIアプリのためのリアルタイム応答を実現するコンポーネントも充実してきているため、データとAIを組み合わせたハイブリッドなアプリを構築することが容易です。

import streamlit as st
import pandas as pd
import altair as alt
st.set_page_config(layout="wide")
col1, col2 = st.columns([1, 1])
data = pd.DataFrame({
'Category': ['A', 'B', 'C'],
'Value': [10, 20, 30],
'LLM Inference': ['Result A', 'Result B', 'Result C']
})
with col1:
# Display the data in a dataframe with improved styling
st.dataframe(data, use_container_width=True)
# Create a bar chart using Altair with enhanced styling
chart = alt.Chart(data).mark_bar(color='#4A90E2').encode(
x=alt.X('Category', axis=alt.Axis(labelAngle=0)),
y=alt.Y('Value', title='Value'),
tooltip=['Category', 'Value', 'LLM Inference'],
color=alt.Color('Category', legend=None)
).properties(
height=300
)
st.altair_chart(chart, use_container_width=True)
with col2:
st.title("Query About Data")
if "messages" not in st.session_state:
st.session_state.messages = []
for message in st.session_state.messages:
with st.chat_message(message["role"]):
st.markdown(message["content"])
prompt = st.chat_input("Enter your question")
if prompt:
with st.chat_message("user"):
st.markdown(prompt)
st.session_state.messages.append({"role": "user", "content": prompt})
with st.spinner("Getting response from OpenAI..."):
# call openai api
with st.chat_message("assistant"):
answer = "This is sample data with three categories (A, B, C) and their corresponding values (10, 20, 30)."
st.markdown(answer)
st.session_state.messages.append({"role": "assistant", "content": answer})実運用での信頼性
1:1 のスクリプト実行モデルを採用しているため、グローバル状態の競合を気にせずに実装を行うことができます。これによってコードに副作用が起こることが少なくなります。ユーザーの環境でのスクリプトの実行が閉じていることは、運用時の調査負荷などを軽減します。
一方で、MLモデルの長時間の推論や利用者のスケール時には実行管理を行いにくい弱みがあるため、長時間推論はFastAPI などの別APIで非同期処理を設計し、Streamlit側はポーリングやWebSocketで進捗表示を行う必要があります。
Streamlitが適したユースケース
- 社内ダッシュボード & AI アシスタント
- 複雑なフォーム入力や動的レポーティングを伴う業務ツール
- 企業ブランディングを反映した PoC からそのまま本番展開したいケース
Gradioのユースケース ― AI/MLモデル公開・長時間推論に強い
Gradioは、カスタマイズ性はStreamlitほど高くはありませんがAI/MLモデルを簡単にシェアすることに特化をしたフレームワークです。UIがシンプルな分、構築のためのAPIも非常に直感的で必要最小元のコンポーネントが用意されています。
特に、Streamlitでは公式から用意されていないような、画像生成や音声認識のモデルを実行するためのコンポーネントが用意されている点や、推論実行時の実行管理を簡易化するAPIはGradioの強みとなる機能です。
モデル I/O に特化したコンポーネント
画像・音声・ビデオストリームを1行でUI 化が可能です。gr.Audio, gr.Image など学習済みモデルのデモに最適なコンポーネントが用意されている。機械学習のモデルの実行に最適なコンポーネントを使用することで従来実装が複雑になるようなデモが簡単に構築できます。
以下のような音声を録音して書き起こすようなWebアプリでも数行のコードしか必要ありません。

import gradio as gr
def transcribe_audio(audio):
return "Audio has been recorded. In a real application, speech recognition would be performed here."
demo = gr.Interface(
fn=transcribe_audio,
inputs=gr.Audio(type="filepath"),
outputs="text",
title="Speech Recognition Demo",
description="Record audio with your microphone and convert it to text."
)
if __name__ == "__main__":
demo.launch()また、gr.Flagging によりユーザーフィードバックを自動蓄積するための、継続学習のループを追加実装なく構築が可能です。
自動生成されるFlagボタンを押すことで実行したモデルのInput/Outputを自動的に最適なファイル形式で .gradio/flagged 以下に保存してくれます。このようにMLモデルをデモしたり、チームで試してもらう際に必要な機能群が標準で用意されています。
Queue で"長い推論"をスマートに実行
Gradioアプリは、標準で数千人規模で同時アクセスに対応できるバックエンド非同期キューが組み込まれています。進捗バーを実装するためのコンポーネントも用意されているため、画像生成や音声変換のような数十秒~数分かかるタスクでもUXを損なわないリッチなアプリが構築できます。
以下のサンプルコードはキューを使って同時実行を2個までに制約しています。これによって、GPUが2個しかない環境にデプロイする際にユーザーが複数の実行をした場合にもコンピューティングリソースを制御することができます。
また、 gr.Progress を使うことでモデル実行中に進捗をリアルタイムにユーザーに示すことができます。
import gradio as gr
import time
def image_gen(prompt, progress=gr.Progress()):
progress(0, desc="Starting")
time.sleep(1)
progress(0.5)
time.sleep(1)
progress(1)
return "https://www.gradio.app/_app/immutable/assets/gradio.CHB5adID.svg"
with gr.Blocks() as demo:
prompt = gr.Textbox()
image = gr.Image()
generate_btn_1 = gr.Button("Generate Image via model 1")
generate_btn_2 = gr.Button("Generate Image via model 2")
generate_btn_3 = gr.Button("Generate Image via model 3")
generate_btn_1.click(image_gen, prompt, image, concurrency_limit=2, concurrency_id="gpu_queue")
generate_btn_2.click(image_gen, prompt, image, concurrency_id="gpu_queue")
generate_btn_3.click(image_gen, prompt, image, concurrency_id="gpu_queue")
demo.launch()即配布 & 即API化
Gradioで作成したアプリは、 demo.launch(share=True) と起動時にshareの引数をTrueにするだけでHuggingFaceに公開することができます。クラウドサービスにアクセスすることなく、手元のコードに少し変更をするだけで公開できるため、デモアプリを配布する手軽さはGradioの強力な特徴です。
さらに、Hugging Face Spacesや自社サーバーにホスティングをすることで、curl・Python・JavaScript クライアントから呼び出しを可能にするAPIを自動的に生成します。APIのI/Oは構築したデモアプリと一致しています。
このようにUIのカスタマイズ性は低い一方で、そのシンプルさを生かしてデモを共有するためのあらゆる作業を自動化しています。
一方で、公開された共有リンクは1週間有効なため、情報漏洩のリスクを気にする必要があります。上記の方法はあくまでもGradioの共有サーバーやHuggingFaceの仕組みを活用しているため、独自の認証やアクセスコントロールとの相性は悪いため、機密データを使用したアプリを社内で長期間運用する場合には、複雑なカスタマイズが必要になります。
Gradioが適したユースケース
- 研究成果・モデルデモの迅速公開
- 画像生成 / 音声認識 / TTS など長期推論モデルのAIアプリ化
共通の課題:両フレームワークが抱える問題
StreamlitとGradioは、従来のWeb開発に比べてAIアプリの構築を大幅に簡単にしました。しかし、両者には共通の課題があります—特に「データを可視化したいだけ」のチームにとっては障壁となりえます。
環境構築
両フレームワークには以下が必要です:
- Pythonのインストールとバージョン管理
- 仮想環境(venv、conda、poetry)
- 依存関係の管理とバージョン競合の解決
- IDEやコードエディタのセットアップ
技術的なバックグラウンドが異なるメンバーがいるチームでは、この初期ハードルが導入を大きく遅らせることがあります。
デプロイの複雑さ
アプリを構築しただけでは終わりません。チームと共有するには:
- ホスティングプラットフォーム(AWS、GCP、Herokuなど)の選択と設定
- 更新のためのCI/CDパイプラインの構築
- 環境変数とシークレットの安全な管理
- SSL証明書とカスタムドメインの処理
認証とアクセス制御
どちらのフレームワークも認証機能を内蔵していません。セキュアなアクセスを追加するには通常:
- アイデンティティプロバイダー(Auth0、Okta、Googleなど)との統合
- セッション管理の実装
- ユーザーロールと権限の管理
- エンタープライズ環境でのSSO要件への対応
本質を考える
もし主な目標がデータの可視化とダッシュボードであり、カスタムAIモデルインターフェースの構築ではないなら—Python環境をセットアップし、コードを書き、デプロイを管理する必要が本当にあるでしょうか?
Pythonフレームワークを超えて:バイブコーディングアプローチ
これらのハードルなしでデータダッシュボードを構築できるとしたら?
Squadbaseは根本的に異なるアプローチを取ります。Pythonでコーディングする代わりに、自然言語でやりたいことを説明するだけで、AIがブラウザ上で完全に構築します。
環境構築不要
Squadbaseはブラウザ上で完結します。Pythonのインストール不要、仮想環境不要、依存関係の競合なし。Webブラウザを開ければ、ダッシュボードを構築できます。
これにより、ビジネスアナリスト、オペレーションチーム、データを扱うすべての人がエンジニアのサポートを待つことなくダッシュボードを作成できます。
強力なデータ接続
あらゆるデータソースに接続可能:
- ファイル: Excel、CSV、Jupyter Notebooks
- データベース: PostgreSQL、Snowflake、BigQuery、MySQL
- SaaS API: Salesforce、Notion、HubSpotなど
Squadbaseはデータスキーマを自動的に理解し、数秒で安全な接続を確立します—手動設定は不要です。
ブラックボックスではなく、本物のコード
独自システムにロックインするノーコードツールとは異なり、Squadbaseは本物のNext.jsコードを生成します。
- AIが書いたすべてのコード行を確認・編集可能
- 必要に応じてプロジェクトをエクスポートしてさらにカスタマイズ
- GitHubとの統合によるバージョン管理
- あらゆるJavaScript/TypeScriptライブラリで拡張可能
ノーコードのスピードとコードの柔軟性を両立できます。
ヒューマン・イン・ザ・ループ:コントロールを維持
Squadbaseはあなたをループに保ちます。AI生成のクエリや可視化をレビューし改善できます—驚きはなく、完全な精度。この透明性が「ブラックボックス」AIダッシュボードツールとSquadbaseを分けるポイントです。
何かおかしいと感じたら、AIが何をしたかを正確に確認し、会話を通じて修正できます。
認証と共有が組み込み済み
認証を自分で実装する必要はありません。Squadbaseには以下が含まれます。
- すぐに使えるロールベースのアクセス制御
- エンタープライズチーム向けのSSO統合
- 閲覧者は$0—シート単位の料金なしでチーム全体と共有
Squadbaseが力を発揮する場面
Squadbaseは特に以下の場合に強力です。
- 目標がデータ可視化とダッシュボード(BIユースケース)
- ダッシュボードを構築・修正する必要がある非エンジニアがチームにいる
- DevOpsをスキップしてインサイトに集中したい
- 初日から本番対応の共有が必要
結論:最適な選択肢
StreamlitとGradioは、それぞれが所有するUIコンポーネントに加えて、チームがデータを扱う方法にも大きな違いがあります。それぞれのツールの強みを理解することは非常に重要です。
Streamlitを選ぶべき場合
- シンプルなダッシュボードを超えたハイブリッドなデータ+AIアプリケーションを構築している
- チームがPythonと環境構築に慣れている
- 広範なUIカスタマイズが必要で、CSSに投資する意欲がある
- より大きなエコシステムとアクティブなコミュニティサポートを好む
Gradioを選ぶべき場合
- 主なユースケースが特殊な入出力インターフェースを持つMLモデルのデモ
- 長時間推論タスクのための組み込みキューシステムが必要
- Hugging Face経由の即時共有がワークフローに合う
- データダッシュボードではなくモデル中心のアプリケーションを構築している
Squadbaseを選ぶべき場合
- 目標がBIダッシュボードとデータ可視化
- 環境構築を完全にスキップしたい
- ダッシュボードを構築する必要がある非エンジニアがチームにいる
- DevOpsのオーバーヘッドなしで認証と共有が組み込み済みである必要がある
- ブラックボックスソリューションより透明で編集可能なコードを重視する
一目でわかる比較
| 機能 | Streamlit | Gradio | Squadbase |
|---|---|---|---|
| 主なユースケース | データ+AIアプリ | MLモデルデモ | BIダッシュボード |
| インターフェース | Pythonコード | Pythonコード | 自然言語 |
| 環境構築 | 必要 | 必要 | 不要(ブラウザのみ) |
| デプロイ | 自己管理 | 自己管理またはHF | 組み込み |
| 認証 | DIY | DIY | 組み込み |
| コードの透明性 | 完全(Python) | 完全(Python) | 完全(Next.js) |
| 非エンジニア対応 | 限定的 | 限定的 | 対応 |
| 閲覧者のコスト | ホスティング次第 | ホスティング次第 | $0 |
バイブコーディングを試してみませんか?
目標がデータダッシュボードの構築で、Pythonのセットアップをスキップしたいなら、Squadbaseを無料で試す。スプレッドシートから共有可能なダッシュボードまで数分で—ターミナル不要。